ビタミンEの1000倍⁉︎ アスタキサンチンの知られざるパワーとは?
活性酸素、そして抗酸化作用という言葉をお聞きになられたことはございますか?
紫外線やエネルギー代謝、ストレス等で体内に発生する活性酸素は、人間の体にいろいろと悪影響を及ぼします。
この活性酸素を除去に効果的なのが、抗酸化作用を持つ成分です。
抗酸化作用を持つ成分にはカロテノイドやビタミン、ポリフェノール等があげられます。
その中でもカロテノイドの一種であるアスタキサンチンは、ビタミンCの6000倍、ビタミンEの1000倍の力を持つとも言われる抗酸化成分です。
ではアスタキサンチンとは、どのようなものでどのような効能があるのでしょうか?
目にもいいと言われますがルテインと比べてどうなのでしょうか?
そして、アスタキサンチンはどんな食品に多く含まれるのかについて今回はお話ししていきたいと思います。
カロテノイドやルテインについてはコチラを参考にしてみてください。
アスタキサンチンって何?
アスタキサンチンは、天然に存在する「赤いカロテノイド色素」です。
ロブスターから発見され、ロブスターの別名である「Astacus」から名づけられました。
自然界に600種類もあると言われるカロテノイドは、緑黄色野菜等の植物に含まれることが多いのですが、アスタキサンチンは魚や甲殻類等、海産物に含まれ「海のカロテノイド」と呼ばれています。
サケが川を上ってこられるのは、川上りの肉体的ストレスによる活性酸素を除去してくれるこの成分のおかげです。
抗酸化力が強いので、紫外線による皮膚の活性酸素を取り除き、光による肌の老化を抑えるので美白や美肌に役立ちます。
また脂質の酸化を抑えるので、悪玉コレステロールによる動脈硬化を予防する働きも持っています。
さらに運動中の筋肉にとってもありがたい存在で、グリコーゲンの消耗を防ぐとともに乳酸の発生を抑制します。
脂質のエネルギー代謝を助け、抗酸化作用により筋肉の損傷も防ぎます。
また体内の細かいところまで入り込める性質をもっています。
多くの成分がブロックされてしまう、脳の入り口の関門をたやすく通過することができるので、脳の中でも抗酸化作用を発揮します。
もちろん目にも、奥のほうまでしっかり届くので、眼精疲労や眼病予防に大きく役立っています。
目への効能とルテインとの違い
パソコン等、近い距離にあるものを長時間見続けていると、目の毛様筋という部分が硬く緊張してきて、ピントを合わせにくくなります。
眼精疲労に悩まされる被験者にアスタキサンチン6mgを約1か月投与した実験では、目の調節機能が改善したとの報告がなされています。
また、抗炎症作用にも優れているので、失明しやすい病気であるブドウ膜炎にも効果を発揮します。
さらに、加齢黄斑変性症や緑内障の治療にも大きな効果が期待されています。
目の健康を守る抗酸化成分としてはルテインも有名です。
人間の目にとって青い光、いわゆるブルーライトが大敵です。
パソコンやスマホ、タブレット、LED等から発せられる青い光は、目の中に活性酸素を多く発生させてしまいます。
ルテインは目の水晶体や黄斑部に存在していて、抗酸化作用で目を活性酸素から守ると同時に、青い光を吸収してくれる働きを持っています。
つまり、目がダメージを受ける前に、直接その原因を防いでくれるというわけです。
一方アスタキサンチンは、受けてしまったダメージも、その強力な抗酸化作用で回復させる働きを持っています。
眼精疲労や眼病の予防にはルテインだけでもいいでしょうが、症状が出始めたら医者に行くとともに食事やサプリでアスタキサンチンを積極的に摂ると良いでしょう。
では、どのような食品にアスタキサンチンが多く含まれているのでしょうか?
アスタキサンチンを多く含む食品
アスタキサンチンは、サケやマス、キンメダイ、タイ、メバル等の魚の他、イクラにも多く含まれています。
また、カニやエビ、オキアミ等にも豊富に含まれています。
黄味がオレンジ色のオキアミを与えて育てためんどりの卵というのも出回っています。
さらに最近注目されているヘマトコッカス藻は、自力でアスタキサンチンをつくることのできる植物プランクトンです。
高濃度で合成できるので、大量に培養することでサプリメント等に活用されています。
普段の食事から摂取するには、やはり手軽で安いサケが一番かと思います。
サケの中でも、身の色が赤ければ赤いほど良いです。
ちなみに産卵前のサケは、イクラにアスタキサンチンをとられて赤みが薄い傾向にありますので注意してください。
またオキアミもオススメです。
バナメイエビ等よりも赤いですし、かき揚げ、チャーハン、お好み焼き、焼きそばと、使い勝手もたいへん優れています。
安いときにまとめ買いして冷凍庫に保存しておくと良いかもしれません。
また、アスタキサンチンは脂溶性のカロテノイドなので、油と一緒に調理すると吸収されやすい特徴を持っています。
ただ、忙しい人やあまり料理が得意でない人にとっては、食品から頻繁に摂るというのは難しいこともあります。
そんな時は手軽にサプリメントを利用するのも良いでしょう。
まとめ
活性酸素を消してくれる強い味方のスタキサンチンは、若返りのビタミンと呼ばれるビタミンEの1000倍の抗酸化力を持つこのカロテノイドです。
アスタキサンチンは、皮膚を紫外線のダメージから守り、美肌を作ります。
また脂質の酸化による動脈硬化を予防し、目や脳にまで入りこんで活性酸素の害から私たちを守ってくれます。
免疫力を高めアンチエイジングにうってつけのこの成分は、サケやオキアミ等の身近な食材から摂取することができます。
時間のない人でもサプリメントを利用するのも良いでしょう。
アスタキサンチンを習慣的に摂り、川を上るサケのように、元気な毎日を送りたいですね。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。