日本でも承認されたレムデシビルってどんな薬?効果や副作用は?
新型コロナウイルス(COVID-19)が世界的拡大をみせており、各国はその対応に追われています。
日本も例外ではなく、自粛要請を出すなどし、対応しています。
ここまでの脅威に人類が晒されている一因に、このウイルスに対する薬がないということがが挙げられると思います。
世界各国の研究機関や医療機関で日夜、開発や臨床試験が行われていますが、効果が期待できるものもいくつかあります。
そのひとつが日本のメディアでも多く取り上げられております「レムデシビル」という薬です。
今回は、レムデシビルという薬がどのようなものなのかについてお話ししていきたいと思います。
※写真はイメージであり、レムデシビルの写真ではありません。
レムデシビルってどんな薬?
レムシビルはエボラ出血熱の治療薬として、ギリアド・サイエンシズ社により開発されました。
ウイルスの複製や増殖に関わるRNAポリメラーゼを阻害する働きがあり、アビガン同様、抗ウイルス薬に分類される薬です。
アビガンについてはコチラを参考にしてください。
アビガンが錠剤なのに対し、レムデシビルは注射薬です。
このレムデシビルは、新型コロナウイルスの重症患者に対して高い効果が確認できたとされています。
実際に、アメリカにおいて重症患者200人に5日間投与したところ、10日後には約65%の患者が回復したとの報告があります。
アビガンには現在のところレムデシビルほどの有効な結果はみられていないこともあり、一層注目を浴びることとなりました。
日本でも特例承認という形ではありますが薬事承認がなされ、医療現場ので使用が可能となりました。
(※特例承認とは、未承認の新薬を簡略化した手続きで承認することです。)
患者への投与は無償となる見込みです。
ただし現時点では、新型コロナウイルスに感染者全てが対象になっているわけではなく、重症患者に投与される方向性となっています。
アビガンとは違い、日本でも承認されたのですから、おそらく新型コロナウイルスに対して高確率で有効なんだろうと、非常に期待してしまう気持ちもあります。
とはいえ、このレムデシビルの臨床実験の実態や副作用の恐れなどはどうなのでしょうか?
アメリカと中国で治験結果が正反対?
そもそも、このレムデシビルという薬はエボラ出血熱の薬として開発中の薬であり、どこの国においても承認されていない薬でした。
エボラ出血熱の治療薬としては、まだ安全性や有効性が立証されていないということも注意しておく必要があるでしょう。
日本やアメリカで承認されている薬ではありますが、実は2020年4月にアメリカと中国からそれぞれ出された治験結果が正反対だったことがあります。
アメリカが出した結果は「回復が早まった」というもの、そして中国が出した結果は「効果が確認できなかった」というものです。
たしかに真逆ですね。
これでは、効くのか効かないのか、もうわかりません。
しかし、厳密に言うと何を持って効いたのかという定義が研究や実験によって異なっていることが、このようなことを引き起こしている節があるようです。
難しい話になってしまいますが、薬が効いたと言える指標や基準が統一された中で導き出された結論ではないので、研究者の間でも意見や見解が分かれてしまうのはある意味仕方がないことなのでしょう。
ですので、簡単に効く効かない、正しい間違っているの話ではなく、あくまで評価基準に対しての見解だということを頭に入れておく必要がありそうです。
副作用はあるの?
レムデシビルの副作用はどのようなものがあるのでしょうか?
主なものとして、急性腎障害や肝機能障害などが挙げられています。
臨床実験の段階では、上記以外にも、下痢や皮疹の頻度が高かったとの報告もあり、重篤なものだと多臓器不全や敗血症性ショック、低血圧などの報告もあるようです。
最後に
承認はされたものの、レムデシビルについてはまだまだ効果や副作用について不明瞭な部分が多いという感が否めません。
しかし、アビガンに比べて致命的な欠陥は確認されず、効果も比較的ありそうだという印象はあります。
また、他の薬との併用実験も進められているようです。
例えば、免疫系が暴走することを抑制する薬との併用によって、高効果が期待できるとも言われています。
レムデシビルに限らず、新型コロナウイルスに対抗できる薬が早く開発されて、1日でも早く安心した生活が送れるようになれたらいいですよね。
最後までお読みただだき、ありがとうございました。